本店移転登記を申請する場合…とくに、管轄する法務局が変わる場合(たとえば、新宿区(新宿法務局)から中野区(中野法務局)へ移転)する場合には、申請してから2か所の法務局で順に手続きがされるため、時間がかかります。
遅いときには、2週間以上かかる場合もあります。
本店を移転し、すぐにその登記を申請しても、移転をしたことを証明する登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が手に入るまでに時間がかかりますので、証明書が出ない空白の期間ができてしまいます。
これを避けるために、前もって登記手続きだけをしてもらえないか、というご相談をよく受けるのですが…
結論は、「できません」。
本店の移転は、株主総会の決議、取締役の決定や取締役会の決議に基づいて、移転先の新本店の所在場所で、現実に本店の通常業務を開始した時に効力が生じるとされています。
本店移転登記は、本店移転の効力が生じた後に申請することになりますので、効力が生じる前の段階で登記だけすることは認められていないのです。